木造住宅といっても色々な建て方がある!
新築住宅を建てるとき、数多くの木材が柱となって組まれる様子を目にしますよね。
日本では、古い時代から木材を使って建てる“木造住宅”が一般的です。
現在、新築住宅をご検討中で「我が家も木造住宅で建てたい」という方も多いのではないでしょうか。
ただ、木造住宅は木材を使って建てることは言うまでもありませんが、その建て方の方法は色々あります。
木造住宅の建て方は耐震性とも深く関係しているため、地震が多い日本では家づくりにおいて建築工法は知っておきたいポイントです。
今回は、木造住宅の特徴や、建て方の違いなどを詳しくお伝えしていきます。
在来軸組工法~昔ながらの伝統的な木造住宅の建て方~
“在来”という言葉からもイメージしやすいですが、在来軸組工法とは日本では昔から主流だった木造住宅の建て方です。「在来工法」や「木造軸組工法」とも言われています。
在来軸組工法で家を支える軸組の基本となるのが、縦方向にたてる「柱」、柱を横方向で支える「梁」、そしてそれらを斜め方向で補強する「筋交い」です。
◎在来軸組工法のメリットを知ろう
・間取り・デザインの自由度が高めの建て方
古くから日本で親しまれていた木造住宅の建て方とあって、メリットもたくさんあるのが在来軸組み工法です。
そのひとつが間取りやデザインの幅が広くなるという点です。
在来軸組工法は、柱や梁を枠組みのベースになり、壁は後から取り付ける建て方のため、開口部を大きめに確保できます。
たとえば、「広いリビングでくつろぎたい」「大きな窓を取り付けて明るい空間にしたい」「家の中心に中庭を設けたい」といった理想も叶えやすいです。
・後からのリフォームに対応しやすい
在来軸組工法は柱や梁などが基本となっているため、壁を取り払うこともできます。
在来軸組工法だとしても、構造上主要となっている壁は取り払えないケースもありますが、年数が経って「増築したい」「間取りを変えたい」などのリフォームにも対応しやすい建て方と言えるでしょう。
◎在来軸組工法のデメリットもある
在来軸組工法が持つ「間取りの自由度の高さ」は、新築で注文住宅を建てたい人にとっては理想的ですよね。ただ、在来軸組工法でもデメリットと言うべきポイントもあります。
木造住宅では昔ながらお馴染みの工法ということもあり、在来軸組工法は施工できる会社が多いです。ただ、「たくさんの施工業者という選択肢がある」という点がデメリットにもなりかねません。
というのも、職人さんの技量次第で品質の差に幅が出てしまう可能性も潜んでいるからです。
そこでポイントとなるのが、施工会社による木造住宅での家づくりに対するコンセプトの確かさや、技術力躍進のための努力がされているかどうかです。
設計者はもちろん、実際に木造住宅を建築する人、そして現場を管理していく人との連携の良さなど、お客様の家を建てるためにどんな点に留意しているかもチェックしておきたいところです。
2×4工法(ツーバイフォー工法)~北米からやってきた木造建築の工法~
2×4工法という言葉は多くの方が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
2×4工法は、北米生まれの木造住宅の建て方です。
「2インチ×4インチの角材で作った枠組みに面材をつけたパネル」を壁面として、床、屋根で支え合う“面構造”で建てた木造住宅です。
また、2×4工法において「2×4」は木材のサイズ。2インチ×4インチが2×4工法ですが、2インチ×6インチのサイズの木材を使えば「2×6工法(ツーバイシックス工法)」になります。
◎2×4工法のメリットを知ろう
・在来軸組工法と比べて“耐震性”が高い傾向にある2×4工法
壁木造枠組壁工法とも言われる2×4工法は、「床面」「屋根」「4つの壁面」と全部で“6つの面”で木造住宅を支えています。
地震が起こったときには、2×4工法は上下左右前後すべてで建物全体の重さを受けて分散ができる構造をしています。
2×4工法は「木造住宅が揺れづらい」という特徴があるのです。
地震の多い日本では、木造住宅を作るときに耐震性を気になる方も多いかもしれませんが、2×4工法の耐震性は注目すべきメリットのひとつかもしれません。
・在来軸組工法と比べて工期が短め・品質に差が出にくい2×4工法
先ほど、木造住宅の在来軸組工法は職人さんの腕によって品質に差が出るとお伝えしました。
2×4工法は品質の差が出にくい傾向にあります。
サイズはもちろん、釘や金具等も規格化され、さらには施工もマニュアル化されている2×4工法は、さらに工期を短くできるメリットがあります。
◎2×4工法のデメリットもある
メリットもありますが、木造住宅の2×4工法にはデメリットもあります。
それが、2×4工法は間取りやデザインの自由度が低めという点です。
2×4工法は「6つの壁面」によって木造住宅を支える構造で、窓の大きさ・位置、部屋の広さなどに制限があります。
間取りのプランニングは、2×4工法の場合、自由自在というわけにはいきません。
また、2×4工法は建築時に建物の強度を考えて設計するため、後からのリノベーションも制限を受けます。
すでにある耐力壁を取り払って大空間にするような間取り変更は2×4工法では難しい傾向にあります。
在来軸組工法と比べると、2×4工法は間取りや開口部に制約を受けてしまう建て方と言えるでしょう。2×4工法では、間取りやデザインに理想のこだわりがある場合、叶えられないことも少なくありません。
金物工法~接合部に金具を使って強度を高める工法~
金物工法は、在来軸組工法をベースとし、柱や梁を接合する部分に金具を使って建てる工法です。
在来軸組工法と金物工法との違いについて分かりにくく感じることもあるかもしれません。
在来軸組工法の場合、接合する部分は木材に「継手や仕口」という加工を施し“嚙合わせる”ことで組み上げるのが基本です。もちろん、その後、補強の意味合いで金物は使います。
一方、金物工法は、その接合部分を“金物”にしてしまう工法です。
◎金物工法のメリットを知ろう
・金物工法は耐力アップで耐震性を高められる
「柱のくり抜いた部分に細く加工した梁を入れる」などの方法で接合している在来軸組工法は、どうしても柱の欠損部分が増えてしまいます。
建物の揺れといった負荷に対して弱い傾向です。
これに対し、金物工法では木材を削るなどの加工を控えて欠損部分を大きくおさえ、接合部に金具を使って強度を高めています。
・工程がシンプルとなって工期短縮できる金物工法
在来軸組工法では、接合する部分の加工に技術力や手間がどうしても必要になります。
金物工法の場合、工場において金物が取り付けられた状態で建築現場に搬入できます。
現場での工程がシンプルにできる金物工法は、工期の短縮ができるというメリットがあります。
◎金物工法にもデメリットがある
金物工法の接合部分に使う金物と部材は特殊ですが、在来軸組工法と比べるとコストが高くなる傾向にあります。
金物工法でもメーカーによって金物の特徴は異なるので、それぞれの特徴をリサーチしておくと安心です。
まとめ
日本では昔から“木造住宅”は馴染み深いものです。
木造のなかにも在来軸組工法や2×4工法、金物工法などの建て方があり、「どうやって建てるか」という構造面はなかなか目にできるものではありませんが耐震性に大きく関わる部分ですから理解しておくことが大事です。
耐震性については、「2×4工法の方が優れている」「金物工法は耐震性が高い」などと言われることが多々あります。
ただ、最近の日本では「家づくり」そのものに、耐震性を高めるための工夫が随所に施されています。
地盤改良の方法や基礎の作り方なども含めて、“耐震性”という点で建て方にも注視し安心な家づくりにつなげましょう。
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