見積もりの見方の解説!!新築住宅にかかるお金のあれこれ1 付帯工事って何??
家の間取りやデザインを考えるのは楽しいですが、やはり気になるのは建築費用ですよね。
そこで、まずは金額に目がいきがちですが、見積もり内容はじっくり見ることが大事です。
ただ、見積もりを見ると、「本体工事費」のほか、「付帯工事費」と書かれていることが分かります。これはいったい何のための費用で、どうして分けて記載されているのでしょうか。
今回は、注文住宅で新築するときに知っておきたい「付帯工事」について詳しくお伝えしていきます。
注文住宅を新築するのにかかる費用の構成は大きく分けて3つ
見積書は、住宅会社によって書き方の細かな部分は異なりますが、通常は大きく分けると次の3つです。
◎建物本体の工事でかかる“本体体工事費”
本体工事費とは、基礎工事や屋根・外壁工事、木工事、塗装工事、内装工事、電気工事、設備工事、水道工事などです。
これらは、基本的に新築工事で注文住宅を作るために必要となる新築工事の内訳で、家づくりの総費用の7~8割ほどになると言われています。
ただ、あくまでも建物本体だけの費用のため、本体工事だけでは「家」の完成はできません。そこで必要なのが付帯工事です。
◎建物本体以外でかかる“付帯工事費”
付帯工事は、建物本体以外で必要となる費用です。
注文住宅を新築するのに関連する工事を付帯工事と言い、足場を組む、仮設トイレを設置するなど、家づくりを進めていくうえで大切な準備になります。
付帯工事の内容には次の項で詳しくお伝えしますが、仮設工事のほか、屋外給排水工事や現場管理費、地盤調査、改良工事、外構工事などが付帯工事です。
◎諸費用
諸費用とは、「本体工事費・付帯工事費」以外でかかる費用です。
家を建てる前に、「しっかりと建てられるかどうか」という確認のために土地の地盤調査をしますが、その費用も諸費用のひとつとなっています。
そのほか、建築確認申請にかかる費用、住宅ローンの際に必要になる手数料、土地や建物の登記費用、契約時の印紙代、火災保険費用、引っ越し関連費用などが諸費用です。
工事ではなく、手続きのためにかかる“手数料”や“税金”といったものが諸費用というイメージです。
見積書を詳しくチェック!「付帯工事」に含まれるものとは?
それでは、付帯工事費について、具体的なものを見ていきましょう。
◎屋外仮設工事費
見積もり内にある付帯工事費のなかの屋外仮設工事費とは、仮設トイレや仮設水道、仮設電気、足場、仮設ネット、養生などです。
注文住宅を新築する際に環境を整えるための工事…とイメージしておくといいでしょう。
◎屋外給排水工事
見積もり内に屋外給排水工事と書かれていれば、建物で使う水を取り入れる、建物から出る排水を流すために上水道管や下水道管をつなげる工事のことです。
注文住宅で新築を建てるときは、必ず必要となる工事です。
また、土地によっては敷地内まで配管が行われていないケースもあり、生活できるように水道の配管を整えるのが「給排水引き込み工事」で、見積もりに記載されていることもあるでしょう。
古い家屋を壊して建て替えして新築する場合、以前の配管をそのまま使うことができます。
そういった場合には、見積もりで「給排水引き込み工事」という記載はありません。
◎外構工事
建物の周りの構造物(門、駐車場、フェンスなど)の工事を外構工事が見積もりに記載されていることもあります。
建物の印象を左右する工事で、注文住宅で新築するときはこだわりたいものですよね。
・どんなデザインにするか
・どういった素材を選ぶか
・どこまでの範囲の工事をするか
など、工事内容はさまざまです。
たとえば、駐車場部分は土間コンクリートにしたいという希望もあれば、「コストをおさえてアスファルトにしようか…」ということもあるでしょう。
道路や隣地からのプライバシーの確保のためにフェンスで囲いたいというときも、その素材やデザインで見積もり費用はだいぶ変わります。
◎解体工事
建て替えにより注文住宅で新築するときは、解体工事も必要となり、それも付帯工事として見積もりに記載されているでしょう。
注文住宅の依頼先の会社を通じて解体工事が行われる場合、見積もりに記載されています。
独自で解体業者に依頼すれば見積もりには含まれていないでしょう。
また、解体工事費は「壊す家屋の構造・規模・アスベストの有無」などでだいぶ違いがあります。
◎地盤改良工事
地盤調査によって「土地が軟弱地盤」という結果が出た場合、沈下によって建物が傾くリスクがあることを意味します。
そのまま注文住宅の新築工事をすると、「家が沈む・傾く」という不安がともなうことになります。
そこで、建物の重さに耐えられるように地盤を改良し強くし、安心な暮らしにつなげるのが地盤改良工事と言えるでしょう。
◎造成工事
高低差や傾斜がある土地の場合、そのままでは家を建てることができません。
そこで、建物を建てるために「盛土・切土」をして平らな土地にするための“造成工事”が見積もりに記載されていることがあります。
また、新築で注文住宅を建てるために買った土地が隣地と高低差があれば、斜面の土が崩れないように土留めする擁壁を設置しなければならないことも。
ただ、大規模分譲地などの場合、すでに擁壁工事が終わっていることが多く、付帯工事として見積もりに記載されていることはあまりないでしょう。
◎電気引き込み工事
注文住宅で新築するとき、電気を建物内に引き込む「配線工事」も付帯工事費となっていることがあります。
◎照明器具工事
屋内の電気を各部屋に配線する工事は本体工事ですが、部屋に照明器具を取り付ける「照明器具工事」が付帯工事費として見積もりされているケースもあります。
◎空調設備工事
エアコンを取り付ける「空調設備工事」などが付帯工事費として見積もりされていることもあります。
◎カーテン工事
カーテンレールは本体工事で取り付けられているようなイメージを持つ方も多いですが、付帯工事のひとつで見積もりされていることもあるでしょう。
◎現場管理費
見積もりに現場管理費と記載されていることもあります。
注文住宅で新築するときの現場そのものを管理するために必要となる人件費や維持管理費用です。
付帯工事費を本体工事費と分けているのはなぜ?
注文住宅で新築する場合、付帯工事費用に含めたものは、通常、家を建てるために必須と言える工事ばかりです。
ただし、付帯工事は「家を建てる場所の状況」次第で内容が変わるものです。
間取りやデザインをまったく同じにした場合、建物本体の工事はどんな土地で建てても同じなのに対し、付帯工事の部分については、ケースバイケースと言えるでしょう。
たとえば、建て替えなら解体工事なくして家は建てられませんし、軟弱地盤なら地盤改良しないとリスクが大きい家となってしまいます。
電気やガス、上下水道の引き込み工事も“家”として機能するために重要な工事です。
・解体工事はいるけれど地盤改良は不要だった
・地盤改良が必要な土地
・擁壁を作らなければならない
・道路から離れた土地で上下水道の引き込み工事の費用が大きくなった
・3台車を止められる駐車場を土間コンクリートで仕上げたい
というように、土地の状況はもちろん、住む人の希望によって付帯工事の内容は変わるでしょう。
「本体工事費」と「付帯工事費」を分けて見積もりに記載されているのは、家を建てるために必須の工事、そして人によっては不要となる工事を混同させないためでもあるのです。
まとめ
今回、注文住宅を新築するときに付帯工事費として見積もりに記載されていることが多い代表的な項目をお伝えしました。
注文住宅で新築するとき見積もりを見て「付帯工事費って何?」と思うかもしれませが、建物の本体工事ではないものの、家を建てるにあたって大切な工事ばかりということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ただ、見積もりでどの工事を付帯工事にするかは、法的に基準があるわけではなく、建築会社によって表記はばらばらです。
「付帯工事」の内容は施工会社によって呼び方が異なったり、付帯工事費にはせず本体工事費に含んでいるケースもあります。
一般的に、注文住宅を新築する時の本体工事費は全体費用の7~8割、付帯工事費・諸費用は2~3割と考えられています。
注文住宅で見積もりをすると、見積書の全体的な金額に目を奪われがちですが、「本体工事・付帯工事・諸経費」など項目ごとにしっかりとチェックしましょう。
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