換気システムとは?
空気は目に見えないため、汚れ有害物質が潜んでいてもなかなか気づけません。
でも、汚れた空気は身体の健康を害するリスクはもちろん、住まいの寿命を縮めてしまう原因にもなっています。
窓を開けての換気では新鮮な空気が取り込めていない可能性が高く、効率的な換気のために近年の家づくりで採用されているのが換気システムです。
今回は、換気の大切な役割をはじめ、換気システムの方式や注意ポイントを詳しくお伝えしていきます。
換気システムとは
まずは、「換気」について見ていきましょう。
◎そもそも“換気”って?健康な生活には良い空気が必要
私たちの体には、飲食による食べ物・飲み物のほか、空気も毎日のように24時間取り込まれています。
飲食物の場合、原材料や産地などにこだわる方も多いかと思いますが、空気はあまり気にならない方は多いのではないでしょうか。
しかし、家のなかの空気は、ハウスダストや細菌、ウイルス、カビ、花粉、二酸化炭素、タバコの臭いなどによって汚れるうえ、人が吸い込むことで不快感や頭痛、皮膚への刺激などの影響をもたらしています。
こういった「汚れた空気」を部屋の外に追い出す、もしくは新鮮な空気を入れて和らげてくれるのが換気です。
空気は目には見えないので「汚れている」と気づきにくいですが、実は健康と深く関わっているもの。
健康な暮らしのためには、「換気」によってお部屋に良い空気を取り入れること大切です。
◎正しく換気をするってどんなこと?
一般的に「換気」と聞いたときに、窓を開けて空気を入れ替えるイメージを持つ方も多いでしょう。
自然の流れにまかせた換気方法です。
ただ、窓を開けた換気方法の場合、空気の流れがうまくできずにいると、「汚れた空気が出ていかない」「窓の近くにしか新鮮な空気が入らない」といった問題も出てきます。
通常、空気の通り道を作るには、「対角線上にある窓を2箇所開けるといい」とされています。
しかし、対角線上に窓がないと、空気の通り道が作りづらく、換気効率は落ちるでしょう。
そこで、キッチンや浴室の換気扇、サーキュレーターや扇風機なども併用しながら、空気がスムーズに流れるように工夫することも必要になってきます。
◎換気システムとはどんなもの?
とは言っても、窓を開けての換気は、雨が降ったとき、風の強い日、真夏などは難しいものですよね。
しかも、「換気をしよう」と意識的に人が窓を開けて換気をしなければ、空気の入れ替えもできません。
冷暖房を使っているときは、特に窓を開けることを控える方も多いでしょう。
そこで、機械を使って換気を実現する「換気システム」が最近の家づくりで取り入れられています。
換気システムの特徴~24時間換気って?
お住まいにある“窓”だけで換気させることは難しいため、近年採用されるようになっているのが24時間換気システムです。
◎24時間換気システムは義務付けられているシステム
24時間換気システムを聞いたことがある方は多いでしょう。
最近の家づくりでは24時間換気システムの導入は必須です。
実は、2003年7月には建築基準法の改正によって換気設備の設置が義務付けられています。
24時間換気システムが義務化となったのは、近年の日本の“高気密住宅”が背景にあります。
気密性が高い現在の家は、“隙間風が入る”という昔の家と比べて外気の影響を受けづらく快適です。
ただ、それゆえに空気を汚すハウスダストやさまざまな物質が室内に滞留しやすく、シックハウス症候群の原因ともなっていました。
そこで、機械を使って強制的に換気すべく、「換気システムの導入」が建築基準法によって導入されたのです。
◎24時間換気で住宅の寿命もアップ
換気システムにより計画的に換気することで、
・カビやダニの原因ともなる結露を防ぐ
・花粉などの外気中の有害物質を防ぐ
などの効果があります。
住宅の寿命を脅かす結露は、風が通りにくい家に起こりやすいです。
結露による湿気・水分が壁、床などにカビをもたらし、構造体の腐食や錆びも発生させて家の強度を弱めるリスクもあります。24時間換気システムで計画的に換気することは、住宅の寿命を高めることにもつながるのです。
換気システムの種類
24時間換気システムには、いくつかの種類があります。
そのなかでも、一般的な住宅で採用されているのが「第1種換気方式」と「第3種換気方式」のふたつです。
◎給気も排気も機械で行う「第1種換気方式」
機械を使って強制的に給気(外から空気を取り込む)をし、排気も機械を使うのが「第1種換気方式」です。
給気も排気もどちらも機械システムを使うため、空気の入れ替えをコントロールできます。
給気の箇所、排気の箇所のどちらにも機械を設けるため、コスト的には高くなる傾向にあります。
◎給気を機械で、排気は自然に行う「第2種換気方式」
機械を使って給気を行い、排気は自然に行うのが「第2種換気方式」です。
外の空気が部屋内に強制的に入ってくるため、夏の湿気、冬の乾燥もダイレクトに部屋内へと侵入します。
排気は自然まかせのため、排気がうまくいかずに内部結露を起こすリスクもあります。
特に、北国では要注意の換気方式と言われていて、現在の日本の木造住宅ではあまり採用されていません。
◎給気は自然に、排気は機械で行う「第3種換気方式」
機械で強制的に行うのは排気だけで、外からの給気は自然に行う方法が「第2種換気方式」です。
内部結露も起こりにくい方法と言われています。
導入時のコストはもちろん、電気代というランニングコストも安いことから、最近の高気密住宅でも採用されるケースが増えています。
24時間換気にはどんな注意点が?
24時間換気システムがあるから安心と思いがちですが、「正しい使い方」を守らなければ、結果的にあまり意味のないものになりかねません。次に、24時間換気システムの注意点を見てきましょう。
◎換気システムはとめない~基本的にはつけっぱなしに
“24時間稼働”と聞くと、気になるのは電気代ですよね。
「時々つけるだけでもいいのではないか」という考えがよぎりそうですが、基本的にはつけっぱなしです。
気になる電気代ですが、近年では24時間換気システムは省エネの観点からも開発されているため、24時間つけっぱなしにしていても極端なコストがかかることはありません。
実は、1か月つけっぱなしにしても数百円程度です。
・換気口を塞がないように
24時間換気システムのために各部屋に取り付けられた換気口ですが、「なんだか寒い気がする」と感じるケースがあるかもしれません。
でも、くれぐれも換気口を塞いで空気の流れを阻害しないようにしましょう。
・定期的にお手入れをする
24時間換気システムの嬉しい特徴は、外気の物質・汚れをフィルターでカットしてくれる点です。
そのため、24時間つけっぱなしにしていると、いずれ給気口のフィルターに汚れが付着します。
そのままでは、空気の取り込める量が不足し、換気効率も落ちるでしょう。
お手入れ時にはいったん換気システムの運転をストップさせることになりますが、掃除・お手入れが終わったら再びスイッチを入れましょう。
「24時間換気システムを導入している」ということに安堵してお手入れ不足にならないように注意することが大事です。
また、24時間換気システムのお手入れについては、初めは分かりにくい点も多いかもしれません。
メーカーによってお手入れ方法は異なるため、説明書をきちんと読み、不明な点は施工会社などに相談して正しいメンテナンスをしましょう。
まとめ
新築住宅を建てるなら、24時間換気システムの導入は必須です。
窓を意識的に開けなくても、強制的に機械が換気をしてくれるシステムです。
小さい子どもさんがいるお宅はもちろん、ペットや高齢者がいるご家庭でも嬉しい環境となるでしょう。
家族みんながクリーンな空気で心地良く、さらに健康的な毎日を過ごせます。
また、24時間換気システムは、“設置しているだけ”で効果が得られるわけではありません。
お手入れをするとき以外は24時間1年中基本的に運転したままにし、定期的に正しくお手入れをしましょう。
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