外壁の種類とメンテナンス、特徴について
注文住宅で家を建てるとき、「おしゃれな外観にしたい」「メンテナンスしやすいものがいい」など外壁選びは迷いますよね。外壁材の素材やデザイン、カラーの違いによって、同じフォルムの家でも印象はだいぶ変わります。
外壁は建物を守る役割もあるため、選ぶときには「デザイン・カラー」だけでなく、メンテナンス面もチェックしておきたいものです。
今回は、主な外壁材の種類と特徴について詳しくお伝えしていきます。
そもそも外壁って何??
建物には、建物を外の刺激から守るように外側に面して取り付けられる“外壁”、そして室内側に空間を作るための“内壁”があります。
外壁の主な役割は、
・外から建物の中を見えないようにする
・紫外線や雨風を受けて、内部を守る
・夏には外の暑さ、冬には外の寒さを内部に伝えないように遮る
・建物の外観をつくる
などです。
内壁と違って外の刺激を受ける外壁には、厚みや強度が求められます。また、定期的なメンテナンスで建物の保護能力を高めるのも重要です。
外壁にはどんな種類があるの?
冒頭でもお伝えしたように、外壁にはさまざまな種類があります。代表的な外壁材をご紹介します。
◎窯業系サイディング
注文住宅やリフォームなどで人気があるのがサイディングです。
サイディングは工場で生産されたボード状の外壁材で、品質に安定生があり、施工がしやすい点で人気があります。
いくつかあるサイディングの種類のなかでも、シェア率が高いのが「窯業系サイディング」。
「セメント+木質繊維」の混合を原材料とし、高温で成形されたものです。
窯業系サイディングは、レンガ風・石材風などのデザイン、さまざまなカラーバリエーションのラインナップから選ぶことができます。
ただし、メンテナンスはこまめに行うことが大事です。
ボードとボードの間にできる隙間を埋めているコーキングが劣化すると隙間が発生、放置すると雨漏りのリスクにつながります。定期的なメンテナンスをしなければなりません。
◎ガルバリウム鋼板
「アルミニウム+亜鉛+シリコン」を原材料として表面をメッキしてつくられた薄めの金属外壁材が「ガルバリウム鋼板」です。
金属サイディングのひとつで、スタイリッシュな雰囲気にもできる外壁材です。
また、“窯業系サイディングと比べると隙間が少な目”でメンテナンスもしやすい特徴があります。
防水性があり雨漏りリスクも減らせます。
また、金属素材ですから、「吸水性がない」「錆びにも強い」「ひび割れが起こりにくい」という特徴も。
メンテナンスという観点から見ても、耐用年数も長めと言えるでしょう。
ただ、薄い外壁材のため、ちょっとした衝撃でも傷や凹みの可能性があります。
ちょっとした傷から錆びが広がる可能性があるため、定期的にメンテナンスをしながら強度を保つことが大事です。
◎タイル
土や石を高温で焼いて成形して外壁にしたのが「タイル」です。
重厚感と高級感で人気があります。かなり硬いため傷はつきにくく、経年の劣化が少なくメンテナンスしやすい特徴があります。
ただし、汚れがあればタイルの洗浄のメンテナンス、ひび割れ・剥がれがあれば貼り替えメンテナンス、目地のすり減りには目地補修のメンテナンスなどが必要です。
タイルには素地の違いで種類が分けられます。
・「磁器質タイル」
1250度ほどのかなりの高温で焼き上げ、水を吸いにくく汚れづらいのが特徴です。
メンテナンスしやすく、外装はもちろん、水回りにも使われます。
・「せっき質タイル」
1200度ほどで焼き上げています。水はやや吸いやすいものの、強度と耐久性があってメンテナンスしやすく、外壁や床にも使われます。
・「陶器質タイル」
1000度ほどで焼いたタイルです。磁器質やせっき質よりも焼き上げの温度がやや低く、多孔質で吸水性もあります。強度的な観点から外装材には不向きです。
◎ALC
“Autoclaved Lightweight aerated Concrete”を略した「ALC」は、無数の気泡を持ったパネルタイプの外壁材です。
セメントや珪石、生石灰、発泡剤などを原料とし成形しています。
別名軽量気泡コンクリートとも言い、コンクリートと比べて1/4ほどの軽さで建物への負荷を少なくできます。
不燃材料で火に強く、細かな気泡により「断熱性の高さ」や「遮音性の高さ」も叶えることができます。
ただ、素材そのものが吸水性を持つことから、外壁として使うには表面を塗装して吸水性を高めるメンテナンスが必要です。
また、パネルタイプの外壁材ですから、窯業系サイディングと同様につなぎ目の目地のコーキングを定期的にメンテナンスしなければなりません。
◎塗り壁
モルタルを下地として、職人が塗り壁材を上から塗って仕上げを手作業で行っていくのが「塗り壁」です。
現在の注文住宅では、サイディングやタイルなどの洋風な外壁が増えてきましたが、かつての日本ではモルタル外壁が主流でした。
モルタル外壁の仕上げには、
・骨材が混ざった塗料を吹き付けザラザラした表面にする「リシン仕上げ」
・骨材を入れずに滑らかな凹凸と艶を表現する「吹付タイル仕上げ」
・リシン仕上げよりも大きめの骨材で厚みをもたせる「スタッコ仕上げ」
・コテを使って職人が模様をつけていく「塗り壁」
などさまざまな方法があります。
つまり、塗り壁はモルタル外壁の仕上げ方法のひとつです。
“モルタル”には昔ながらの外壁というイメージがあるからか、塗り壁もそうではないかと感じる方もいるでしょう。
しかし、コテを使って繊細に模様を描ける塗り壁は“和風”はもちろん“洋風”にも仕上げることができます。
おすすめの外壁~塗り壁~
外壁にはいくつもの種類があって、特徴はそれぞれ異なります。
なかでも、職人が手仕事で仕上げる「塗り壁」は、外観のバリエーションが多彩で個性的。
実は、塗り壁は注目度も高くおすすめです。
◎メンテナンスしやすい塗り壁
塗り壁は、“どんな仕上げ材で塗るか”でも風合いや耐久性が異なってきます。
漆喰や土壁などの自然素材、塗料に砂を混ぜたジョリパッドなどの塗り壁材があります。
どの素材を使って仕上げるかでも詳細は違いますが、「目地のあるサイディング」と比べると、塗り壁のメンテナンスはシンプルです。
しかも、塗り壁の素材のなかには耐久性が高く、メンテナンス頻度をおさえられるものもあります。
外壁の汚れやひび割れなどを日頃から観察し、適度なタイミングで補修・メンテナンスをすることで長持ちに結び付きます。
◎優れたデザインに仕上げられる塗り壁
塗り壁の良さは、優れたデザイン性です。パネルタイプの外壁材と違い、つなぎ目となる“目地”がなく、一見、塗り壁はとてもシンプル。
しかしながら、塗り壁はデザイン性がかなり高い外壁材と言えるでしょう。
というのも、塗り壁はコテを「どう使うか・どのように動かすか」など、職人の手作業のアレンジでさまざまなバリエーションに仕上がるからです。
扇形でまるで波のようにしたり、四角や直線を連続的に表現したり…と、”柔らかなラインで暖かみのある印象”や”クールでスタイリッシュな表情”など描き出すデザインで見た目の印象を変えることができます。
「こんな風にしたい」というオーダーにより作られる外壁ですから、世界にひとつのオリジナルのデザインにすることができるでしょう。
また、お家全体を塗り壁で仕上げるのも素敵ですが、サイディングなどほかの外壁材との組み合わせも注目されています。アクセント効果も相まって、より個性溢れる外観に仕上げられるでしょう。
◎メンテナンス費用は総合的に見ると削減できる
初期費用の安いサイディングと比べると、塗り壁は金額的に高いです。
ただ、サイディングはコーキングの補修や全体的な塗り替えメンテナンス頻度が多いでしょう。
その分、メンテナンス費用がかかります。
しかし、STOは初期費用こそ高めですが、メンテナンスの回数をおさえることが可能。
メンテナンス費用を総合的に見ると削減できるでしょう。
まとめ
外壁は、さまざまな刺激から家を守ってくれる大切なものです。
しかし、外壁の種類はたくさんでデザインやメンテナンス性の違いもあり、注文住宅での外壁選びは難しく感じる方もいるでしょう。
そこでおすすめなのが塗り壁です。
現在の注文住宅ではサイディングが多いですが、近頃は「おしゃれ」「個性的」で塗り壁が大注目を浴びています。まるでリゾートにいるような美しい外観が実現できる外壁で人気があります。
デザイン性はもちろん、ボードやパネルタイプの外壁材と比べてシンプルなメンテナンスが魅力です。
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